【弁護士に聞く!】調停離婚って何? Q&Aでスッキリ解決!
「話し合い(協議)がこじれた!」
「相手が話し合いに応じない!」
「裁判所の手続きって、法廷でバチバチに戦うイメージ…?」
そんな不安でいっぱいのCさんが、数々の修羅場(?)を見てきたT弁護士に「調停離婚」のリアルなところを聞いてみました。
Bさん:
協議離婚が難航中。「裁判所」と聞くだけで緊張する。T弁護士:
法律のプロ。調停の「リアル」を分かりやすく解説する。
Q1. そもそも「調停」って、裁判と何が違うんですか?
先生、こんにちは…。もう、相手との話し合いは無理です!テーブルにもついてくれなくて。
こうなったら「離婚調停」ってヤツですか? でも裁判所って…「異議あり!」とかやるんですか??
Cさん、こんにちは。落ち着いてください。まず、調停は「裁判」ではありませんよ。
え、違うんですか?
全然違います。調停は、ものすごくカンタンに言えば「裁判所の人を間に挟んだ、話し合い」です。
裁判官1名と調停委員2名が、夫婦の間に入って、中立な立場で話し合いの手助けをしてくれる制度なんです。
話し合い…なんですね。
そうです。日本の法律では、いきなり「離婚裁判だ!」とは行けないルール(調停前置主義といいます)がありまして。いわば、「最終的な判断(訴訟)を求める前に、まずは話し合いの場(調停)を持ってくださいね」という決まりがあるんです。
Q2. どんな時に「離婚調停」を申し立てるんですか?
ウチは、離婚そのものにも応じてくれないし、仮に応じたとしても、お金や親権のことで絶対モメると思うんです。
まさに、そういうケースのために調停があるんですよ。
Cさんのように「相手が離婚そのものに応じない」場合はもちろん、「離婚はいいけど、親権や財産分与・慰謝料などの条件面で折り合いがつかない」場合。どちらでも申立てができます。
Q3.離婚調停は、どうやって申し立てるんですか?
よし、やるからにはどうすれば? どこに申し立てるんですか?
はい。「相手方の住所地の家庭裁判所」(または夫婦で合意した裁判所)に、申立書や戸籍謄本などの必要書類を提出します。
書類...。考えただけで頭が...
そこは弁護士がお手伝いできる部分ですね。調停を申し立てると、裁判所が第1回目の期日を決めて、相手方に、「期日通知書」という、まあ、裁判所からの「招待状」みたいなものが郵送されます。
Q4. 調停当日って、どんな流れ? 相手と顔を合わせたくないんですが…
当日、相手と顔を合わせるのが本当にイヤで…法廷で向き合うんですか?
あはは、ドラマの見過ぎですよ。そこは配慮されています。
まず、裁判所に行くと、申立人(Cさん)と相手方は、別々の待合室に案内されます。
え! 顔を合わせないんですか?
そうなんです。時間が来たら、調停室に交互に呼ばれます。例えば、まずCさんが呼ばれて調停委員に話す。終わったらCさんは待合室に戻る。次に相手が呼ばれて話す。この繰り返しです。
調停委員が間に入ることで、夫婦が直接顔を合わせて感情的になるのを防ぐ仕組みになっているんです。
よかった…。でも、最後に「離婚成立」する時は、さすがに同席ですか?
本来は同席の上で調停条項を確認することになっていますが、裁判所に「どうしても同席はできない」と伝えれば、強要されることはありません。別々に確認できますよ。
Q5. もし相手が調停に出てこなかったら?
もし、私が申し立てたのに、相手がずっと出てこなかったらどうなりますか? 招待状を無視されたら!
その場合、話し合いができないので、調停は「不調(不成立)」で終了します。
じゃあ、相手は「逃げ得」じゃないですか!
いえいえ。そうなったら、Cさんは「調停で話し合おうとしたけど、相手が来なかったので不調になりました」という事実をもって、次のステップ、つまり「訴訟(裁判)」に進みます。
Q6. もし話し合いがまとまらず「不成立(不調)」になったら?
相手は出てきたけど、結局、お互い譲らずに話し合いがまとまらなかったら…?
「これ以上話し合いを続けても合意の見込みがない」と裁判所が判断した場合も、調停は「不調(不成立)」となります。
その場合も、やっぱり…
はい、Cさんが離婚手続きを進めたいなら、次の手だてとして「訴訟(裁判)」を起こす必要があります。
Q7. 「生活費」や「子どもに会う」ことも、決められますか?
あの!別居中なんですけど、生活費(婚姻費用)を全然払ってくれなくて! 離婚調停と一緒に請求できますか?
もちろんです! 大事な問題ですよね。
Cさんのように、離婚調停(夫婦関係調整調停)と、
「婚姻費用分担調停(離婚までの生活費をください!)」
は、セットで申し立てるのが一般的です。
よかった! あと、子どものことは…?
「面会交流調停(子どもに会わせて!)」という手続きもあります。こちらは、子どもと離れて暮らす親から申し立てられることが多いですね。
なるほど。手続きがバラバラなんですね。
手続きは別ですが、多くの場合、これら(離婚、婚姻費用、面会交流)は同じ日にまとめて審理(話し合い)してもらえますよ。
ちなみに、婚姻費用や面会交流は、もし調停が不調になっても「訴訟」ではなく、自動的に「審判」という手続きに移行して、裁判官が金額やルールを決定してくれるんです。
Q8.期間は? 費用は?
実際、どれくらいかかるんですか? 期間とか、費用とか…。
期間は、話し合いの内容にもよりますが、だいたい6か月~1年程度を見るのが一般的ですね。調停は1~2か月に1回ペースなので。
費用は、裁判所に払う印紙代(1,200円)や郵便切手代(数千円程度)くらいです。ただ、弁護士に依頼する場合は、別途弁護士費用がかかります。
Q9. 調停で決まったら、また「公正証書」を作るんですか?
協議離婚だと「公正証書」が大事って聞きました。調停で決まったことも、公正証書にするんですか?
いいえ、その必要は全くありません。
調停が成立すると「調停調書」という書類が作られます。これは、裁判の「判決」と同じ効力があり、公正証書と「同等か、それ以上」に強力なんです。
おお!
はい。これがあれば(養育費の不払いなどで)強制執行もできますから、あらためて公正証書を作る必要はないんですよ。だからこそ、次のQ&Aが重要になります。
Q10. 一度「はい」って言ったら、もう撤回できないってホントですか?
(小声で)調停委員の人って、なんか偉い人ですよね…? プレッシャーで、つい「はい」って言っちゃいそうで…。
Cさん!そこが調停で一番の落とし穴です!
先ほどお話しした「調停調書」が作られたら、それは裁判の「判決」と全く同じ、非常に強い効力を持ちます。
そうでしたね!
はい。そして、後から「やっぱりあの財産分与、納得いかない!」とか「慰謝料安すぎた!」と思っても、原則として、一切不服申立てはできません。
少しでも疑問や不安があるなら、その場で安易に同意せず、「納得できません」「持ち帰って検討します」と、絶対に「はい」と言わない勇気が重要です。
Q11. ぶっちゃけ、調停も弁護士に頼まないとダメですか?
うーん、ハードルが高そうです…。やっぱり弁護士さんにお願いしないとダメですか?
いえ、調停はご自身ですることも、もちろん可能です。弁護士に依頼しなくても大丈夫ですよ。
そうなんですね。
ただ、正直に申し上げて、弁護士に依頼した方がいいケースはあります。
例えば…
- 調停申立書や書類の書き方が分からない
- 慰謝料や財産分与の金額が大きい、または財産関係が複雑な場合
- 調停委員が、どうも相手の言い分ばかり聞いているように感じる
- 緊張する場で、自分の主張を冷静に、論理的に伝える自信がない
- そして、何より「相手が弁護士を立ててきた」場合
うーん、相手に弁護士がいたら、絶対不利ですよね…。
弁護士が隣にいれば、Cさんの代わりに法的な主張をビシッと伝えますし、不利な内容で合意させられそうになったら「待った」をかけられます。何より「一人じゃない」という精神的な安心感は全然違います。
調停離婚のお悩み、弁護士にご相談ください
- 「裁判所なんて、一人で行くのが怖い」
- 「何をどう話せばいいか分からない」
- 「相手が弁護士を立ててきた!」
- 「調停委員に言いくるめられて、損をしそうで不安」
離婚調停は、ご自身の主張を法的な観点から整理し、冷静に伝えることが重要です。
面倒な申立書の作成から、調停期日への弁護士の同席、相手方や調停委員との交渉まで、離婚問題に強い弁護士は強力なサポートを提供できます。
調停を「成立」させる前に、まずは専門家にご相談されることをお勧めします。
