【弁護士に聞く!】協議離婚って何?Q&Aでスッキリ解決!
「離婚したいけど、何から始めたらいい?」
「話し合いだけで本当に大丈夫?」
「まさか、勝手に離婚届を出されることは…?」
そんな不安やモヤモヤを抱えるAさんが、数々の離婚問題を見てきたT弁護士に「協議離婚」のキホンと落とし穴について、詳しく聞いてみました。
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Aさん:
離婚を考えている。手続きが不安で、法律用語は苦手。 -
Y弁護士:
法律のプロ。協議離婚のメリットとデメリットを、時にバッサリ、時に分かりやすく解説する。
Q1. そもそも「協議離婚」って、一番簡単な方法なんですよね?
先生、こんにちは。今日は 「協議離婚(きょうぎりこん)」 について聞きたくて。これって、夫婦でハンコ押すだけ、みたいな一番簡単な離婚ですよね?
Aさん、こんにちは。良い質問ですね。
おっしゃる通り、協議離婚は日本の離婚の9割近くを占める、いわば「王道」のスタイルです。
王道…。
はい。裁判所を介さず、①夫婦で話し合い、②離婚に合意し、③離婚届を役所に提出する。これだけで成立します。手続き自体は、とてもシンプルです。
やっぱり簡単なんですね。
ただし、落とし穴もあります。一番のキモは「夫婦双方の合意」が絶対条件であること。
たとえ相手が不倫したとか、明らかな原因があったとしても、相手が「離婚したくない」と言えば、協議離婚はできません。
ええー!そうなんですか。
ええ。話し合いがこじれて「もうラチがあかない!」となったら、次のステップ、家庭裁判所の「離婚調停」に進むことになります。
Q2. 話し合いって、具体的に「何」を決めればいいんですか?
その「話し合い」ですが、勢いで「離婚する!はい、おしまい!」というわけにはいかないですよね…?何を決めなきゃいけないんですか?
Aさん、鋭いですね。離婚届を出すことがゴールではありますが、離婚後の人生を決める「条件」の話し合いこそが、協議離婚の本体と言えます。
うわぁ…プレッシャーが…。
大丈夫です、整理しましょう。決めるべきは、大きく分けて「お子さんのこと」と「お金のこと」です。
お子さんのこと: 未成年のお子さんがいる場合、「 親権者 」は絶対に決めないと離婚届が受理されません(※令和8年4月1日以降変更があります。)。その他、「 養育費 (お子さんの生活費や学費)」や「面会交流(親子交流)(離れて暮らす親と会うルール)」も超重要です。
お金のこと: 結婚生活で築いた財産をどう分けるかという「財産分与」。それから、離婚の原因を作った側が支払う「 慰謝料 」ですね。
決めること、山積みですね…。
Q3.決めた内容って、どう残せばいい? 「公正証書」ってやつですか?
もし、養育費とか慰謝料の約束ができたとして、口約束じゃ不安です。書面には残したいんですが、「 公正証書(こうせいしょうしょ) 」って、やっぱり作った方がいいんですか?
非常に重要なポイントですね。 まず、大前提として、合意した内容は「 離婚協議書 」という契約書には必ず残してください。「言った、言わない」を防ぐためにも、口約束はダメ、絶対です。
分かりました。協議書は作ります。
その上で「公正証書」にするか、ですね。 これは、Aさんの立場によって推奨度が変わります。
立場によって?
はい。もしAさんが、相手から 養育費や慰謝料などを将来にわたって支払ってもらう側(受け取る側)なら、「公正証書」にしておくことを強くお勧めします 。
支払ってもらう側なら…。なぜですか?
ただの「協議書」だと、もし相手が「ごめん、今月お金ない」と支払わなかった時、そこから裁判をして判決をもらわないと、財産を差し押さえたりできないんです。
え、裁判?イヤです!
でしょう? そこで「公正証書」の出番です。
これは公証役場という場所で作る公的な文書で、これに「もし支払いを怠ったら、直ちに強制執行(差し押さえ)されても文句言いません」という強制執行認諾文言を入れておけるんです。
キョウセイシッコウニンダクモンゴン...呪文みたいですね。
ええ。これがあれば、相手が支払いを渋っても、 裁判ナシで、相手の給与や預金口座を差し押さえる ことができます。お金を受け取る側にとっては、最強のお守りになるんです。
なるほど!
逆に、支払う側だったり、もう面会交流だけで将来のお金のやり取りがない場合は、必須ではないんですね?
おっしゃる通りです。お金の支払いが絡まない場合や、ご自身が支払う側である場合は、公証役場の手数料もかかりますし、必ずしも公正証書にしなくても、「離婚協議書」をしっかり作っておけば十分というケースもありますよ。
Q4.もし、勝手に離婚届を出されたらどうなるんですか?
(小声で)あの…先生。ウチのパートナー、ちょっとカッとなるところがあって。もし私が「離婚したくない」って言ってるのに、勝手に離婚届を出されちゃったら…?考えるだけで恐ろしいんですが!
Aさん、それは非常に重要な心配です。そして、残念ながら「結構よくある」トラブルなんです。
ええ!やっぱりあるんですか!?
まず、予防策があります。もし「フライング提出されそう…」という危険を察知したら、すぐに役所に行って「 離婚届不受理申出(ふじゅりもうしで) 」を出してください。
ふじゅり?
「離婚届は、受理しないでください」という「待った」をかける手続きです。これを一度出しておけば、Aさんが取り下げない限り、勝手な離婚届は受理されなくなります。転ばぬ先の杖ですね。
もし…もし、その「不受理申出」が間に合わなくて、出されちゃったら!?
万が一、そうなってしまったら…。Aさんに離婚意思がなかった以上、その離婚は法律上「無効」です。
ただし。戸籍って、一度載ってしまうと、役所に「あれ無効なんで!」と言っても、直してくれません。
じゃあどうするんですか!
家庭裁判所に「
協議離婚無効確認調停
」を申し立てる必要があります。そこで話し合いがつかなければ、最終的には「裁判(訴訟)」です。「あの離婚は無効でした」と、裁判所に認めてもらうんです。
…ものすごく大変でしょう? だから「不受理申出」が大事なんです。
呪文のオンパレードですね…。
Q5. ぶっちゃけ、弁護士に頼むメリットって何ですか?
いやー、よく分かりました。でも、協議離婚って「話し合い」が基本なら、弁護士さんにお願いするのって、ちょっと大げさじゃないですか?
そう思われる方も多いですね。ですが、「協議離婚」の段階で話をまとめることこそが、実は一番重要なんです。
と言いますと?
もし協議がまとまらず、「調停」、さらに「裁判」と進んでしまうと、解決までに1年、2年とかかることもザラです。そうなると、 時間的、精神的、そして経済的(弁護士費用など)な負担が、雪だるま式に大きくなります 。
うわぁ…それは絶対に避けたいです…。
でしょう?
だからこそ、一番負担が少ない「協議」の段階で、専門家を入れて短期集中でしっかり話をまとめる。これが、弁護士に頼んでいただく最大のメリットです。
なるほど…。調停や裁判になって泥沼化する前に、協議の段階でプロに頼んで、適正な条件でスピーディーにまとめるのが大事なんですね。
おっしゃる通り。協議離婚は「話し合い」という名の、離婚後の人生を左右する「交渉」なんです。
ご自身の状況で「法的に適正な条件は何か」「どう交渉すべきか」を知らないまま進めてしまうと、気づかないうちに不利な条件で合意してしまう可能性があります。
不安になってきました…。
Aさんのように「相手と直接話したくない」「提示された額が妥当か知りたい」という方は、まさに弁護士にご相談いただくのがベストなケースですよ。
協議離婚のお悩み、一人で抱えていませんか?
離婚の話し合いは、人生で最も精神力を使う交渉の一つです。
- 「相手が高圧的で、話し合いにならない」
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