【弁護士に聞く!】面会交流(親子交流)って何?親子交流Q&A
「離婚したら、相手に子どもを会わせたくない…」
「もし相手が会わせてくれなかったら、どうすればいい?」
「『面会交流』って、子どものために絶対必要?」
親権、養育費と、子どものための重要な取り決めを学んできたCさん。
今回は、離婚後に離れて暮らす親と子どもが「会う」こと、すなわち「面会交流(親子交流)」のルールについて、T弁護士に聞いてみます。
Bさん:
離婚(または別居)を控えており、面会交流のルールや影響について不安を抱えている。T弁護士:
法律のプロ。面会交流は「親のため」ではなく「子どものため」の権利だと強調する。
Q1. そもそも「面会交流(親子交流)」って、何ですか?
先生、親権と養育費は分かりました。でも、離婚した後、子どもと離れて暮らす親が「子どもに会いたい」と言ったり、逆に自分が「子どもに会いたい」と思った時、どうすればいいんですか?
それが「面会交流(めんかいこうりゅう)」の問題ですね。
子どもと別居している親(親権者でなくても)が、子どもと会ったり、手紙のやり取りをしたりして交流することです。
ちなみに、この「面会交流」という言葉は、今後の法改正によって「親子交流(おやここうりゅう)」という呼称に変わる見込みです。
「親子交流」ですか。名称が変わるんですね。これって、離婚した後だけの話ですか?
いえ、離婚前の別居中でも関係してくる問題です。
Q2. 正直、相手に子どもを会わせたくないんですが…拒否できますか?
正直に言うと、相手の事情によっては、あまり会わせたくないケースもあると思います…。もし、自分が主に子どもを育てる側(親権者)になったとして、こちらの判断で「会わせない」と決めてもいいですか?
Cさん、それは最も危険な考え方です。
ええー!なんでですか!?
裁判所は、面会交流が「子どもの健全な成長のために不可欠なもの」だと考えています。
相手が子どもに虐待していた、などの事情がない限り、裁判所は面会交流を推奨します。
Q3.「面会交流」が、親権争いに関係するってホントですか?
親権は、誰が子どもを育てるか、という話だと思っていましたが…。
実は、最近の裁判所の流れは変わってきています。 かつての「母親優先」「現状維持」というルールが絶対ではなくなりつつあり、「面会交流の実現に協力的な親か」という点も、親権者を決める上で考慮要素の一つとしてみられるようになってきています。
どういうことですか?
親子関係に問題がないのであれば、子どもにとっては、両方の親と深い交流ができる方が望ましいですよね。
ですから、「大した理由もないのに面会交流を拒絶する」親は、「子どもの利益を考えていない」とみなされ、親権者としての適格性にマイナスの影響を与える可能性も出てきています。
…それくらい重要なんですね。
Q4. 頻度は、どれくらいが「普通」なんですか?
わかりました。じゃあ、頻度はどれくらいが普通ですか?
実務上、調停などで決まるのは「月に1回・日帰りで」というのが、まだまだ多いのが現実です。
月イチ…。
ただ、月1回の日帰りだけでは、十分な親子の交流とは言えない、という考え方も強くなってきています。
私も、たまに向かい合って話すだけでなく、「同じ屋根の下で、親は読書、子はゲームをしていて、子がゲームに熱中しすぎるのを叱れる」くらい(=日常的な関係性)が望ましいんじゃないかと思うんですけどね。
さらに、令和8年5月ごろまでに、「離婚後共同親権」が施行されますね。 離婚後も両方の親が子育てに関わるという考え方が社会により浸透していけば、より密な親子交流(面会交流)が実現しやすくなるかもしれません。
Q5.面会交流のルールは、どうやって決めればいいんですか?
「月1回」とか「宿泊OK」とか、どうやって決めるんですか?
まずは、①夫婦間での話し合いです。
「月1回程度」と回数だけ決め、具体的な日時や場所はその都度話し合う、という形も多いですね。子どもの成長や予定に合わせて変えていく必要がありますから。
もし、話し合いで決まらなかったら? 例えば、一方が「毎週泊まらせろ!」と要求したり、逆に「多忙だから」と極端に少ない回数しか提案しなかったり、無茶を言ってきたら?
その場合は、②家庭裁判所に面会交流調停を申し立てます。調停委員を介して、現実的な落としどころを話し合います。
それでも決まらなかったら?
③面会交流審判(しんぱん)に移行します。
こうなると話し合いではなく、裁判官が、双方の事情や子どもの年齢などを考慮して、「月1回、第2土曜日の10時から17時まで」というように、ルールを決定します。
Q6.「子どもに害がある」場合は、拒否できますか?
ルールを決めても、子どもの年齢が上がれば部活や塾で忙しくなりますよね。その場合、どうなるんですか?
とても重要な点です。面会交流(親子交流)のルールは、一度決めたら永久不変というものではありません。 子どもの成長、進学、生活リズムの変化、または親の転勤など、事情が変われば、当事者間の話し合いでルールを見直す(決め直す)ことができます。
もし、話し合いで合意できなかったら?
その場合も、再度、家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てて、事情に合わせたルールに変更することができます。
もし相手が子どもに暴力をふるうとか、もう一方の親(私)の悪口を吹き込むとか、明らかに「子どもに害がある」場合はどうなんですか?
その場合は、拒絶することも可能です。
よかった!
あくまで面会交流は「子どもの利益のため」のものです。面会交流がかえって子どもに害を与えるような場合(虐待のおそれなど)は、裁判所も会うことを禁止したり、厳しく制限したりします。
ただし、単に「私が相手に会いたくないから」「子どもに会わせたくない」という親の感情的な理由だけでは、拒絶することは難しいと思ってください。
Q7. 決めたのに、相手が「会わせてくれない」! どうすれば?
分かりました。では、逆の立場になった場合…つまり、自分が離れて暮らす親で、調停で「会ってよし」と決まったのに、相手(育てる側)が理由なく会わせてくれなかったら?
そのための法的な手段があります。
- 履行勧告(りこうかんこく)
- 家庭裁判所に「相手が約束を守りません」と申し出ます。裁判所から、相手に「ちゃんと会わせなさい」と勧告(命令)してもらえます。ただし、強制力はありません。
- 間接強制(かんせつきょうせい)
- 正当な理由なく、それでも会わせない相手には、「不履行1回につき、〇〇円支払え」というペナルティを課すよう、裁判所に申し立てることもできます。
ただし、これを行うには、あらかじめ調停や審判で「月1回、第2土曜日の10時から17時まで」というように、日時や頻度が具体的に特定されている必要があります。単に「月1回程度」といった曖昧な取り決めでは認められにくいため、簡単ではない点に注意が必要です。
面会交流(親子交流)でお悩みですか?
- 「面会交流(親子交流)のルールでモメている」
- 「相手が子どもに悪影響を与えないか心配…」
- 「取り決めたのに、会わせてもらえない」
面会交流(親子交流)は、「子どものための権利」であるという視点が何よりも重要です。
感情的な対立を抜きにして、お子様の成長にとって何が最善かを冷静に考える必要があります。
どのようにルールを決めるべきか、相手が応じない場合にどうすべきか、弁護士が法的なアドバイスを行います。
