性の不一致・セックスレス
性の不一致は具体的には以下の例があります。
- 性交拒否
- セックスレスである
- 性交不能 夫が性的不能者である
- 異常性欲 性的嗜好が異常である
基本的な考え方としては、上記の事情により、夫婦間に婚姻を継続し難い重大な事由があるといえるかを考えることになります。ただ、セックスレス等の性の問題は、デリケートな上、裁判官個々の価値観が大きく異なりがちな分野ですので、セックスレス等により離婚が認められるかどうかは、見通しをたてにくい分野といえます。
最高裁判所自体は、婚姻関係の本質は、両性の永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯な意思をもって共同生活を営むことにあるとしていますので、やはり肉体的結合を欠いているセックスレスが法的にも重要性を持つことは裁判上も否定はできません。
そこで、正当な理由のない継続的な性交拒否は離婚事由になる可能性が高いですが、反面で、双方同意のもとにセックスレスという状況が長期間続いているのであれば、離婚原因にはなりにくいといえます。
また、セックスレス解消に向けての努力といった要素も考慮される可能性が高いといえます。セックスレス単独では、離婚原因としては弱くても、別居期間やその他の離婚原因事実とあわせて考えれば、婚姻を継続し難い重大な事由があると言える場合もあるといえます。
性の問題は、法律相談においても話しにくい部分です。同性の弁護士を指名して相談してみるのもよいかもしれません。
関連条文
民法第770条
(裁判上の離婚)
1項 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
(省略)
(省略)
(省略)
(省略)
その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2項 (省略)